出産前後にもらえるお金と産後の失業保険について

出産時にもらえる3つの助成金と産後の失業保険受給時の注意点

 

最近、周りの友人が出産ラッシュです。

 

僕には娘が一人いますが、特に初産の場合いろいろと不安もつきまとうものです。

 

お金も当然その一つです。

 

今まで相談を受けた中で一番多いのが、やはり出産時にもらえる助成金とかはないか」ということです。

 

今回は出産前後に関わる助成金や社会保険料の免除、産後の失業保険受給時の注意点についてご説明いたします。


会社は辞めない

出産時にもらえる3つの助成金と産後の失業保険受給時の注意点

まず一番最初に押さえておきたいことですが、

 

出産時に、出産をする者がフルタイムで会社勤めしているかどうかということで、

 

もっと具体的に言いますと、出産をする人間が自分自身で会社の健康保険料と雇用保険料を払っているかということです。

 

通常健康保険に入っておりましたら雇用保険にも入っているはずですが、逆は然りではないので注意して下さい。

 

調べ方は簡単です。

 

直近の給与明細において健康保険料を取られているかどうか確認すればよいだけです。

 

そしてもし御自身で健康保険に入っている場合でしたら、

 

なるべく会社を辞めないことです。

 

もし会社を辞める場合においても、その会社で1年以上健康保険料を払ったどうか確認して下さい。

 

理由は単純です。

 

お金が貰えるからです。

 

出産手当金と出産一時金

 

その貰えるお金の名前は、

 

出産手当金

 

です。

 

健康保険料の払い込みが1年未満の退職であれば貰えませんが、もし会社を辞めずに産休と育休を取り会社に在籍を残した上で、1年以上の在籍となれば貰えます。

 

その際は、産休を取った時点で社会保険料は免除されますので、よほどの理由がない限り会社は辞めないにこしたことはありません。

 

そして注意しなければいけないのは、任意継続健康保険の場合は支給されないということです。

 

あくまで在籍を残すかどうか、というのが基準になります。

 

任意継続健康保険とは・・・
会社の入っている健康保険に、退職後も継続して入ること。自治体の健康保険料よりも、会社の健康保険料の方が安い、と言った理由で利用することが多いですが、2年間辞めることができないので、扶養に入れなかったりして、かなり使い勝手が悪い上に、出産手当金はこの保険から出ません。利用は単身者向け。

 

もうひとつ似たような名前の手当金があります。

 

その名も、

 

出産一時金

 

です。

 

この出産一時金に関しては、殆どの人が出ます。

 

要は、出産手当金が出産する者の会社の健康保険からしか出ないのに対し、出産一時金は所謂自営業者が入る国民健康保険や夫の健康保険の被扶養者であっても出ます。

 

詳しくは最後の表を観て頂きたいのですが、

 

出産一時金より大事なのは出産手当金です。

どれくらい支給されるか

出産手当金は、産休に入り出産予定日前の42日、出産後の56日、計98日間、

 

出産予定日がずれた場合は日数が前後しますが、

 

(産休に入った出産前日数+56日)×給料のおよそ2/3の金額が支給されます。

 

大まか3ヶ月、出産した者の給与の2/3が入ると考えて良いでしょう。

 

この出産手当金は、出産後まとめて支払いされます。

 

出産手当金だけじゃない!

会社に籍を残した方が良い、という理由は出産手当金だけではありません。後で詳しくお話しますが、

 

育児休業給付金

 

というお金も会社を辞めてしまったら貰えないのです。

 

出産を機に、とりあえず会社を辞める、というのは待ったをかけた方が良いでしょう。

 

ちなみに、産休と育休の間は健康保険料と厚生年金保険料そして雇用保険料の支払いは免除されます。

 

要するに、会社に嫌な思い出しかなかったとしても、『おめでた(妊娠)退職』はよく考えた方が良いということです。

 

出産前・出産時における各種助成金や免除制度を載せた表を添付します。

 

どうぞご活用下さい。

出産時にもらえる3つの助成金と産後の失業保険受給時の注意点

育児休業給付金

実は出産前・出産時だけではなく、出産直後においても会社を辞めないでいたことが有利に働きます。

 

その主たるものが、

 

育児休業給付金

 

とよばれるもので、これは

 

退職していたらもらえません。

 

というのも前回の出産手当金が健康保険、所謂医療分野において助成されるという性質をもつのに対し、

 

育児休業給付金は、雇用分野、要するに育児で子どものお世話をするにあたり、給与が支給されないことに対し雇用保険から補てんするという形で給付されます。

 

ですから、会社を辞めてしまったらそもそも雇用関係がなくなり、給与そのものがなくなってしまうので、給与の補てんという性質をもつ育児休業給付金はもらえません。

 

また、あくまで在職を残すことが前提ですので、退職予定の方は支給されないのと、育児休業中に退職したら以降の給付金は停止します。

 

ただ育児休業給付金をもらうには条件があり、育児休業を取る日以前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上の月が12ヶ月以上ある場合、要するに過去2年間に1年間以上続けてフルで働いた期間があるかどうかが確認されます。

 

また育児休業中に勤めている会社で働いたら支給がストップする場合があり、どうしても人手が足りなく会社から無理を言われて出勤する場合にも、給付の条件から外れないように就労時間や日数はしっかり確認する必要があります。

 

育児休業給付金については以下の記事もご参考下さい。

 

では会社を既に辞めてしまった人は全くもらえないのかということですが、

 

まだ打つ手はあります。

 

失業保険

出産時にもらえる3つの助成金と産後の失業保険受給時の注意点

これはどちらかというと奥の手ということになりますが、

 

失業保険

 

をもらいましょう。

 

こちらも条件があり、妊娠退職などの「特定理由退職者」の場合、退職した日以前1年間に雇用保険に通算で6ヶ月以上入っていたことを確認します。

 

育児休業給付金よりも条件は緩いです。

 

こちらはハローワークで申請しますが、出産の場合出産直後より8週間は就労できない法律になっていることに注意が必要です。

 

というのも、失業保険は退職した日から1年以内に給付を受け取らなければならないからです。

 

退職した日からというのが注意する点で、出産日は全く関係ないということです。

 

出産して落ち着いてから就職活動しようと考えると、退職日から一年を超えてしまった時点で支給がカットされる可能性があります。

 

そうならないためにも、一つ手を打っておく必要があります。

 

それが

 

受給期間の延長措置の申請

 

です。

 

そしてこの申請で気を付けなければいけないのは申請期間で、

 

退職してから31日目より1ヶ月以内

 

というとても意味不明な期間内に申請する必要があります。

 

例えば、もし3月31日付けで退職した場合、5月1日〜5月31日の間に申請する必要があるということです。

 

そうすることによって、受給期間を4年(通常受給期間1年+3年)に伸ばすことができます。

 

妊娠を期に退職している場合で、雇用保険の加入期間の条件を満たしているのならば、絶対に申請しておいて損はないはずです。

 

ちなみにこの延長申請は、妊娠・育児等に伴う退職である「特定理由退職者」に該当していないと申請できません。

 

また、妊娠中に体が思うように動けない時など、代理申請や郵送でも申請できます。

 

※上記で説明した、受給期間はこの期間内なら失業給付金を受け取れます、という期間であり、4年間ずっと(全期間で)失業給付金を貰えるというものではありません。
実際に貰える金額(給付日数)に関しては、勤続年数等で決められております。

 

以上、主に育児休業給付金と失業保険のお話を中心にしましたが、他にも自治体による育児補助も是非調べてみて下さい。

 

最後に出産直後(原則子が1歳になるまで)における各種助成金や免除制度を載せた表を添付します。

 

どうぞご活用下さい。

出産時にもらえる3つの助成金と産後の失業保険受給時の注意点

※この記事に出てくる表や資料等は、ビジネス使用も含め全て複製・配布・ブログ(HP)等での貼り付け可能です。しかし、これを使用したことによる損害賠償等の責任は一切負いかねます。

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