自分で調べる土地の評価額【その1】
今回は、こんな疑問をお持ちの方に読んで頂きたいです。
・自分の家はいくらぐらいで売れるのであろう
・不動産屋さんの言っている価格って本当に妥当なのかな...
関連記事の土地の評価額を自分で調べる方法【その2】と【その3】の記事も一緒にお読み下さい。
不動産屋さんの評価額って正しいの?
そもそも宅建業法上では、売り主に対して売却価格を評価し提示する時には、宅建業者はその根拠となる理由を提示しなければならないという規定があります。
(宅建業者が依頼者に売買価格や評価額について意見を述べる時は根拠を明らかにする)
※宅建業法34条の2第1項2号,2項
しかし、監督処分、罰則規定は無し。
業者によりますが、この根拠をしっかり提示しているところは少ないですよね。
売り主に対して、
『500万円ぐらいで売れると思います』
とか、価格しか言わないで、根拠を示さないで売り主から物件を預かる業者は多いです。
前置きが長くなりましたが、土地価格の調べ方について基本的なことからお話します。
土地と建物は評価額が全く別
まず、価格の評価にあたって、土地と建物は分けて考えます。
計算方法が全く異なるからです。中古物件でも、土地はいくら、建物はいくらと分けます。
建物の評価額に関しては、また別の機会にブログでアップしていきます。
今回は土地の価格について、ひとつひとつ説明します。
土地の4つの価格
土地には、4つの価格があります。ズバリ以下の4つです。
@実勢価格
A公示価格
B相続税評価額価格(路線価)
C固定資産税評価額
概ね価格の高い順から@〜Cとなりますが、必ずしもこの順番にはなりません。
それでは一つ一つどのような価格か観てみましょう。
@実勢価格
実際に取引された価格。例えば、隣人が「この土地タダであげるわ」と言われたら、ゼロ円ということです。
A公示価格
国の機関である、土地鑑定委員会が毎年実施する価格調査に基づいて決められた価格。
後述の路線価ではなく、標準地という基準点を決めて、そこの価格を決めたもの。
これを基にB相続税評価額とC固定資産税評価価額が決まり、
@実勢価格については、民間で取引をする場合、この価格を指標として土地価格を査定するよう努めなければならない(強制ではない)とされております。
ちなみに公共機関が取引をする場合は、この価格を規準(強制あり)としなければならいとされております。
B相続税評価額(路線価)
『路線価』というとよく聞くと思いますが、実際には相続税と贈与税の時ぐらいしかこの価格は使いません。上二つと異なり、国税庁の管轄です。
この道沿いにある土地は、1平方メートルいくらです、と評価したもので、相続税・贈与税の計算をする時の土地の評価額として使います。
C固定資産税評価額
意外に使うことの多いのが、この固定資産税評価額です。固定資産税の他、都市計画税、不動産取得税、登録免許税、金融機関の融資の際の査定金額等、コチラの価格を知ることで、様々な経費(租税公課)やいくらぐらい融資が下りそうか判断できます。
コチラも相続税路線価と同じで、この道沿いにある土地は、1平方メートルいくらです、と評価したものです。
以上は以下のサイトで価格を調べることができます。
・国土交通省:土地情報総合システム※@実勢価格・A公示価格
・全国地価マップ※A公示価格・B相続税評価額・C固定資産税評価額
・国税庁:財産評価基準書※B相続税評価額↑よりも最新の価格が手に入る。
また、概算にはなりますが、
@実勢価格を100%とすると、
A公示価格は90%
B相続税評価額は70〜80%
C固定資産税評価額は60〜70%
と言われております。この概算からでもでもおよその土地価格が分かるということです。
ただ、上記はあくまで概算ですので、実際には土地の持つ個々の問題等により変化したり、
もちろん地域によってはバブルが発生して値が吊り上り、公示価格の倍以上の価格で取引されているところもあります。
しかし、この評価額の査定の仕方は基礎となりますので、覚えておいて損はないと思います。
次回は、例題を使って具体的に説明いたします。
※この記事に出てくる表や資料等は、ビジネス使用も含め全て複製・配布・ブログ(HP)等での貼り付け可能です。しかし、これを使用したことによる損害賠償等の責任は一切負いかねます。