保険に入る前に考えるべきこと
保険に係るブログを観ていると、医療保険は不要だ!とか学資保険も要らない!
とか様々なご意見がありますが、かく言う私も殆どの保険は必要ないものと思っております。
しかしながら、決して全ての保険が必要のないものだと思ったことはありません。
今回は、ファインシャルプランナーが考える、本当に必要な保険についてお話をします。
実際にあった保険の話
保険の代理店に以前勤めていた方がおりました。
その方は主に医療保険を扱っていたのですが、そんな彼から驚きの一言がありました。
『保険を販売していた時、自分自身は医療保険に入っていなかったよ。』
なんということでしょう!
医療保険を薦めながら、自分は入っていない。
嘘のようですが、本当の話です。
もし保険の営業さんに医療保険を薦められましたら、一度聞いてみて下さい。
『で、あなたはその保険に入っているのですか?』
と。
教えます!ファイナンシャルプランナーが入っている保険
では、実際に僕の入っている生命保険をお話します。
内訳
・保険料:2710円/1ヶ月
・僕が死亡後、奥さんが60歳になるまで月々10万円の保険金がおりる
・60歳まで支払い
・保険料1380/1ヶ月
・僕が5日以上働けなくなった時に、毎月10万円おりる。
・1年ごと契約
以上。この二つです。
合計4090円/1ヶ月。
学資保険に入らなくて良いの?⇒学資は貯蓄or自分で資産運用します。
個人年金保険に入って老後に備えなきゃ!⇒必要ありません。貯蓄はもちろん、不動産や株で資金運用して備えます。
保険の原点
保険を一言で定義すると、
『万が一に備えること』
です。
聞いてみれば当たり前かもしれませんが、よくよく考えて下さい。
子どもに学費を用意しておくのは万が一の事態ですか?
老後生きていくということは、万が一のことでしょうか?
日本には、生命保険だけでも『保険』という名前の付いたものが数千とあります。
しかしながら、その実態は、『保険』という名前が付いているだけの投資商品(しかも負ける確率が高い)が多いのが殆どです。
学資保険や、個人年金保険があまりお勧めでない理由は、こちらの記事をご覧ください。 この記事を見てみる≫
個人年金保険の必要性|マイナスから始まる貯蓄ではないのか?
保険料を見直すために
ところで、僕がFPとして保険に入る時に1番気にしているのが、
毎月の保険料によって生活が苦しくならないか、
ということです。
冷静に考えれば当然ですね(^^ゞ
ただ保険の営業マンの中には、この1番大事だと思われることを二の次にして、
「あなたにはこのような保障が必要ですね!」
とか
「この保障額では足りませんよ!」
とか
必要な保障タイプ(定期・終身・医療など)や保障額をメインに話される方が多いんですよね。
もう一度いいますが必要な保障および保障額より大事なのは、
毎月の保険料によって生活が苦しくならないか、
です。
優先順位としては、
@、A、B、どれも人によってかなりの個人差がありますが、殆どの保険の営業はBをメインに話して必要以上の保障額を算出してきます。
保障額が上がれば当然保険料も上がるわけで、考える順番が逆なのです。
僕も以前ある代理店にお見積りを頼んだところ、始めは30万円/1ヶ月の保障額で、保険料6750円/1ヶ月で見積もりされましたが、
毎月の支払いがきついので保障額10万円/1ヶ月にして下さいと頼みました。
正直、その時この代理店さんは信用できないと感じましたので、他の保険屋さんに頼みました。
もし僕が死んで奥さんに30万円/1ヶ月入ったら、それは大きいとは思いますが、僕は死なないのが前提です。
保険で考えるのは、今の生活を維持できる金額で保障するかです。
さらに、僕が亡くなった場合は『遺族年金』という社会保障もあります。
この点を話さない保険屋さんはかなり多いです。『遺族年金』は無いものとして、保障額を提案するのですね。
医療保険も然りです。
まず、社会保障である『労災保険』や『健康保険』からどれくらい保障が受けられるかを説明した上で、提案するべきなのに、無いものとして計算するから保障額が高くなるのです。
しかも実際の医療現場では、入院日数を減らしていく傾向にあり、入院日数で支払われる医療保険は分が悪いです。
入院しているかどうかよりも、自宅療養でも保険が下りる、所得補償保険の方が働くほとんどの方にお勧めです。
必要な保障額という点でも、贅沢な暮らしを望む方もいれば、毎月手取り収入内で車も持たずに細々と生活している方とでは、全く異なります。
そのことを無視して、家族構成や年収で一律にはじき出されたデータ(往々にして高めに保障額が設定されている)で保障額を計算されても、見当違いであることは容易に想像できます。
保険は必要です。
ただ一番最初に肝に銘じるべきは、
毎月の保険料によって生活が苦しくならないか、
であり、その次に保障タイプそして最後に保障額を考えましょう。
もし自分でも保障額が沢山ないと不安だと思われるのならば、保険でまかなうことを考えずに、
大黒柱が死亡した時に実家に身を寄せるとか、車を手放しカーシェアリングにしてみるとか、保険以外の方法も考える習慣が必要です。
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