国民健康保険料について
奥さんのお母さん、つまりは僕のお義母さんになるのですが、
兵庫県宝塚市に住んでいて、
そのお義母さんが、
『国民健康保険料が高い!』
と僕に相談してきましたので、これを期に宝塚市の国民健康保険料を調べてみました。
※この記事の最後に、平成30年度の兵庫県国民健康保険料のランキングがあります。
記事概要
国民健康保険と組合健康保険
日本には、国民皆保険制度というものがあります。
これは、全ての国民が下記のいずれかの健康保険に入る必要があるというものです。
@自治体(区市町村)の国民健康保険
A組合の健康保険
@は、年金暮らしの方や自営業の方が主に入る健康保険です。自治体ごとに管理しております。
Aは、会社員や公務員等、主に会社に所属している方が入る健康保険です。
Aに関してはまた別の機会に改めてお話します。
僕のお義母さんの場合、年金暮らしですので、@の国民健康保険に入っております。
国民健康保険料は、自治体によって違う!?
国民健康保険料は実は自治体によって料金が違います。
逆によくお問い合わせ頂く、住民税に関しては、自治体によって大差はありません。
住民税についても、改めてブログでお話します。
国民健康保険料の計算の仕方
概要
国民健康保険料は以下の足し算で決まっております。
医療分+後期高齢者支援分+介護分(年額)
但し、介護分に関しましては、40歳以上65歳未満の方にしか掛かってきません。
65歳以上は、別途介護保険が係るからです。
そして、更にそれぞれに、所得割額・均等割額・平等割額・資産割額という金額が足し算されます。
つまりは、
医療分【所得割額+均等割額+平等割額+(資産割額)】
+
後期高齢者支援分【得割額+均等割額+平等割額+(資産割額)】
+
介護分【所得割額+均等割額+平等割額+(資産割額)】
こんなにも足し算するわけですので、大きな金額になるわけです。
所得割額
所得割額とは、所得に応じて○%と計算する額です。
注意するべきは、『年収』ではないことです。
『年収』から一定の計算式で計算した数値が『所得』となります。
後ほど説明します。
均等割額
被保険者一人当たりに係る、定額の料金です。
国民健康保険に加入している、世帯あたりの被保険者数が多ければ多いほど、金額が上がります。
例えば、自営業者で、世帯主・配偶者・子ども2人、
という場合で、子どもが同一世帯に2人とも入っていれば、
均等割額×4人
となりますが、
子どもが1人、結婚等で世帯から離れた場合、
均等割額×3人
となり、安くなります。
平等割額
平等割額は、
一世帯あたりいくらと、定額で掛かってくるものです。
資産割額
平成30年度現在で、こちらの資産割額を加算しているのは、兵庫県内では、
豊岡市、養父市、南淡路市、たつの市
の4市のみです。
自宅などの不動産、いわゆる固定資産に対して掛かってくるものですが、
今回のブログでは、省略いたします。
例題:宝塚市で計算
では、宝塚市を例題として計算してみます。
試算条件
一人暮らし、63歳、公的年金収入250万円、他収入なし
年収から所得の計算をします。
先ほど、年収と所得は違うものとお話しましたが、具体的に言いますと。
所得は、生活に係る経費とも言える『控除』と呼ばれるものを年収から引いて算出したものです。
給与所得や、公的年金の雑所得にこの控除は使えます。
逆に、民間の個人年金の収入(雑所得)には、この控除は使えません。
以下は国税庁のHPからダウンロードできる、計算式です。
『国税庁HP参照』
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/pdf/001.pdf)
この計算式に年収250万円を当てこみますと、
250万円×0.75−375000円=1500000円
次に、宝塚市のHPから国民健康保険料算出の資料を確認します。
『宝塚市HP参照』
(http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/kurashi/kokuho/1011170.html)
所得割額の計算に入る前に、※3の注意書きを観て下さい(赤枠の部分です)。
つまりは、33万円の控除を所得から引いて下さいということです。
ということで、
1500000円−330000円=1170000円
この数字が、所得割額を計算する上での算定所得額となります。
続いてこの表から計算しますと、
※小数点以下切り捨て
・医療分(基礎課税額)
所得割額
1170000円×8.40%=98280円
均等割額
31600円×1人=31600円
平等割額
23900円×1世帯=23900円
・後期高齢者支援分
所得割額
1170000円×2.20%=25740円
均等割額
8900円×1人=8900円
平等割額
6200円×1世帯=6200円
・介護分(40歳以上65歳未満)
所得割額
1170000円×2.70%=31590円
均等割額
12100円×1人=12100円
平等割額
6200円×1世帯=6200円
以上の全てを足し算します。
(98280円+31600円+23900円)
+
(25740円+8900円+6200円)
+
(31590円+12100円+6200円)
=244510円
となります。高いですね。
なぜ、こんなにも高いのか?
やはり国民健康保険は高いですね。
それもそのはず、少子高齢化の時代ですので、
国民健康保険の保険を利用している人>国民健康保険を支えている人
という構図が変わらない限り、なかなか安くならないでしょう。
国民健康保険を支えている労働者の数が多かったり、或いは利用する人が少ない、すなわち日々健康的で、お医者さんにお世話になる人が少なかったりする地域では、安くなる傾向にあります。
軽減措置
所得が少ない人に対しては、以下の軽減措置があります。
これは法定軽減措置といって、全国共通です。
判定の基準は、世帯主の所得金額となります。
軽減割合 | 基準総所得 |
---|---|
7割減 |
33万円以下 |
5割減 | 33万円+27.5万円×被保険者数以下 |
2割減 | 33万円+50万円×被保険者数以下 |
国民健康保険料は毎年変わる
実は、宝塚市は元来保険料が安かったのですが、
数年前より、値上がりしております。
その年の財政状況によって、保険料が決められているのです。
そして、平成30年度から、広域健康保険制度、正確には「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が施行されており、
自治体別で健康保険料を定めていたものが、都道府県毎の広域で均等化していこうとする動きが有ります。
今後、自治体に関係なく、国民健康保険料が平準化されていく可能性がありますが、
実際には、自治体の財政状況はまだまだバラバラですので、直ぐには平準化されないと考えられます。
平成30年度兵庫県国民健康保険料ランキング
最後になりましたが、昨年度の兵庫県国民健康保険料ランキングを添付します。
・複製・ビジネス利用可能ですが、この表を使ったことによる損失は一切責任を負いません。
・あくまで試算ですので、実際の金額は異なる場合があります。
Google等で検索すると、国民健康保険料シミュレーションができるサイトもありますが、計算プログラムが間違っていたり、年次で更新されていなかったりするので、
できれば、各自自体のHP等で手に入れた情報で、計算することをお薦めします。