自分で調べる土地の評価額【その2】土地の形状による補正

土地の評価額を自分で調べる方法【その2】土地の形状による補正について

 

前回で大まかな価格の出し方を説明しましたが、こちらでは更に土地の形状による補正についてお話します。
関連記事土地の評価額を自分で調べる方法【その1】と【その3】の記事も一緒にお読み下さい。


それでは、以下例題を通して計算してみます。

土地の評価額を自分で調べる方法【その2】土地の形状による補正について

路線価は150000円。宅地の用途は普通住宅地としてます。

 

この数値を基本価格とし、国税庁が決めている補正率を基に相続税評価額(路線価)を計算していきます。

 

各種補正表は国税庁の『財産評価基準書路線図・評価倍率表』といサイトから手に入ります⇒(http://www.rosenka.nta.go.jp/docs/h30_thyousei.pdf)

 

補正率表を手に入れましたら、以下、で囲んであるところを見ていけばよいということです。

土地の評価額を自分で調べる方法【その2】土地の形状による補正について

奥行き60m(長い!)なので、補正率は0.86となります。

 

表から分かる通り、道路からの奥行きが長いほど土地の価値は下がります。

 

次に間口狭小補正率を確認します。

 

間口5mなので、間口狭小補正率は、

土地の評価額を自分で調べる方法【その2】土地の形状による補正について

以上の表から、補正率は0.94というのが分かります。

 

コチラは、間口が広いほど土地の価値が上がっていくのが分かります。

 

最後に奥行長大補正率です。コチラは上記二つと違い、もうひと手間計算が要ります。

 

というのも、【奥行距離】÷【間口距離】で間口に対する奥行きの割合を観ます。

 

この例題の場合は、60÷5=12

 

そして以下の奥行長大補正率表を確認します。

土地の評価額を自分で調べる方法【その2】土地の形状による補正について

8以上ですので、0.90です。感覚で分かると思いますが、奥行きが長い、もしくは間口が狭いとこの左端の数値は大きくなり、そしてその数値が大きくなればなるほど土地の価値は下がります。

 

以上を路線価に掛けます。

 

150000円×0.86×0.94×0.90=109134円

 

となり、なんと路線価に対し72%(109134/150000×100)の価値になってしまいました。

 

最後に路線価は1平方メートル辺りの価格ということなので、

 

上記価格に地積をかけると、土地の価格が分かります。

 

すなわち、

 

109134×300=32740200円

 

前回、路線価は実勢価格のおよそ80%ほどとお話しましたので、

 

これに80%を除してみると、実勢価格が推測できます。

 

32740200÷80%=40925250円

 

「路線価からの計算ですと、およそ41000000円でこの土地は売れるのではないかもしれません」

 

と売り主さんに価格の提案ができそうです。

 

また、補正率に関しては、他にも以下の種類があります。

 

・側方路線影響加算率
角地などは土地の価格が上がるように、率が加算されるというものです。
・二方路線影響加算率
道路に挟まれている土地は価格が上がるように率が加算されるといものです。
・不整形地補正率
形がいびつな土地は価格が下がるように補正率が掛けられます。
・がけ地補正率
がけ地の面積が広いと、土地の価格が下がるように補正率が掛けられます。
・規模格差補正率
大都市と田舎では、土地価格の差がありすぎるので、その格差を是正するために補正率が掛けられます。

 

正直、ここまでの価格の調べ方は、教科書通りといったところです。

 

次回は、これぞ不動産の真骨頂と言われるような、限定価格についてお話します。

 

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