国民健康保険の計算の仕方
大阪の国民健康保険料は高い!
と思ってらっしゃる方も少なくないとおもいます。
そんな国民健康保険の計算の仕方を紹介します。
また、この文章の最後に大阪府の国民健康保険料のランキングがあります。
あなたの町は何位でしょうか?ぜひ確認してみて下さい。
国民健康保険を算出
国民健康保険を算出するにあたって、必要な数字は以下の2つです。
@年収
A世帯の被保険者数
今回算出するにあたって、軽減措置の特例は考慮いたしません。
まず、下記の3つの区分があります。
@医療分
A後期高齢者支援分
B介護分
さらにこの1つ1つに以下の金額が割り当てられます。
T所得割額
U均等割額
V平等割額
図で表しますと、
@医療分 | A後期高齢者支援分 | B介護分 | |
---|---|---|---|
T所得割額 | X | Y | Z |
U均等割額 | X’ | Y’ | Z’ |
V平等割額 | X’’ | Y’’ | Z’’ |
つまりはこれの全ての足し算です。
X+X’+X’’+Y+Y’+Y’’+Z+Z’+Z’’=国民健康保険料(年額)
です。
こんなにも足し算するわけですから、高くなるわけです。
まず3つの区分について、
@医療分とA後期高齢者支援分は、
どなたでもかかってきます。
Bの介護分だけは、
40歳以上65歳未満の方だけかかってきます。
続いて、金額区分について、
Tの所得割額は、所得(後で書きますが、『年収』とは違います)に対して、何%と算出します。
Uの均等割額は、世帯の被保険者数×均等割額で算出します。
Vの平等割額は、1世帯あたりに対して定額で算出します。
ここから分かることは、
○年収が上がれば、保険料も上がる。
○被保険者の人数が増えれば保険料が上がる。
○40歳以上65歳未満は保険料が上がる
ということです。
では、大阪市の例題を使って算出していきます。
『大阪市HP参照』http://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000369/369749/30hokennryouuritu.pdf【PDFファイル】
○例題の条件○
独り暮らし、63歳、公的年金年収250万円、他収入なし。
1、所得の算出
先ほど、年収と所得は違うとお話しておりますが、
いわゆる、国民年金・厚生年金による収入は、雑所得扱いになり、更に公的年金控除という控除が受けられます。
この『控除』と呼ばれるものは、今は生活における経費とでも軽く覚えて下さい。
では年収250万円の公的年金の収入を得た場合、どのように算出するのでしょうか?
これは、以下の税務署の確定申告の説明を参考にして下さい。
『国税庁HP参照』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/pdf/001.pdf【PDFファイル】
11ページ目の計算式によると、
250万円×0.75−375000円=1500000(所得金額)
となり、さらにもういちど、下記の大阪市の国民保険料算出表を観て下さい。
分かりにくいかもしれませんが、○部分。今算出した所得金額から、さらに33万円の基礎控除を引いたものが、算出する為の算定基礎所得金額としてます。
この算定基礎所得金額は、どの自治体も同じ計算をします。
つまり、
1500000円−330000円=1170000円(算定基礎所得金額)
これで算出する際の素材はそろいました。
後は、表に従って計算するだけです。
小数点以下、切り捨てです。
@医療分
T所得割額
1170000円×8.19%=95823円
U均等割額
21362円
V平等割額
30964円
A後期高齢者支援分
T所得割額
1170000円×2.99%=34983円
U均等割額
7822円
V平等割額
11338円
B介護分
T所得割額
1170000円×2.69%=31473円
U均等割額
9795円
V平等割額
7874円
以上を全て足します。
合計は、
251434円(年額)
となります。
なお、算定するにあたっての年収は、前年度の年収であり、
2〜3月の確定申告で所得金額を算出したのち、6月頃に決定通知書と請求書が届きます。
そして、この所得割額・均等割額・平等割額は、自治体によって金額が違うのです。
広域健康保険制度
平成30年度より広域健康保険という制度に参加する自治体も増えて、市町村内で賄っていた国民健康保険を、より広い都道府県ベースで算定していく、という動きは加速しております。
つまりは、市町村ベースで算定した国民健康保険料を、均等化していくということで、将来的にはどの自治体も同じような保険料になる可能性は高いです。
実際に、今回の均等化により、安かったところは高くなり、高かったところは安くなったりしております。
今後、この制度に参加していく自治体は増えると予測できます。
今はその過渡期にあって、まだまだ市町村ベースで保険料を算定している自治体も多いのが実状です。
最後にはなりますが、平成30年度の大阪府の国民健康保険料の試算表を添付して終わりたいと思います。
老後の住まいを考える際は、この国民健康保険料も参考にしても良いですね。
※上記の表は、複製・ビジネス使用可です。但し、この表を使ったことに関する損害賠償は一切負いかねます。
※あくまで試算ですので、実際はこの金額とは異なる場合があります。
※平成30年度の基準であり、今年の基準ではありません。